初心者のための宝塚観劇講座

宝塚歌劇団が好きで好きで仕方ない雨宮(あまみや)が、 趣味でお送りしているブログです。 チケットの取り方から、楽しみ方、観劇マナー、 マニアックな楽しみ方まで、ご紹介します。

カテゴリ: 月組


スポンサードリンク

 


 
2023年4月6日、月組東京新人公演  『応天の門』 -若き日の菅原道真の事-を観劇しました。

いやぁ、ここ最近全然観劇の感想書いてなくてですね。反省。わたしは生きてます。

観劇はしていたのですが、千秋楽や新人公演まで配信で見られるようになってしまってから、以前ほど『全組生で観劇しなくては』欲みたいなものが薄れ。

チケット難公演も多かったりしたので、ありがたく配信の恩恵にあずかっていたのです。

そうしたら。

下級生の顔が全然わからなくなってきた。



やはり劇場に行き、あちこちオペラで気になる人をガン見しないとだめなんだ…このままではわたし宝塚から遠ざかってしまう………という恐怖にかられて、最近またできる限りチケット探すようになったのです。


と、前置きが長くなったのだが。


今回の新人公演、みられてよかった………。


あの、わたし、完全に本公演の番手に惑わされていたよ…。宝塚ではこういうことがあるって忘れていたよ……。

本公演って、 トップさんだから大事な役、2番手さんだからその次に大事な役、3番手はその次に大きい役って思い込んでお芝居を見始める。だから、知らないうちに脳内に2番手の役は3番手より重要だって刷り込まれて観劇している。(まあ実際そうじゃないことも多いんだけど)

でも新人公演って、その番手の刷り込みが薄れるので、純粋にそのタカラジェンヌを通して役を見ることになる。そうすると実はこっちの役の方が大事だったんだけど、本公演では2番手さんのオーラとか存在感を持って重要っぽい感じに仕上げているということがわかったりする。

つまり本公演はれいこちゃん(月城かなとさん)演じる菅原道真とちなつさん(鳳月杏さん)演じる在原業平中心の、鬼退治物語(雑😂もっといろいろありますよ)のように思って観劇したのですよ。

おだちん(風間柚乃くん)演じる藤原基経は、敵チームのひとりという感じに思ってた。

(だって公式サイトの人物相関図もそんな感じになってるんだもん。基経がそんな大事な役って感じしないんだもん…ほら見てよ……)



がしかし。

そうじゃなかったのか………。


すごく雑に言えば 、道真と仲間たち(昭姫・業平・白梅・常行・長谷雄)vs 藤原家(基経含む)なのであるけれど、基経からしたら(やや一方的にではあるけれど)基経vs道真なのである。

というのが、めちゃくちゃよくわかった新人公演だったのでした。

これには、基経を演じた瑠皇りあくんの働きがとても大きかったと思う。

彼の演じる基経は魅力的だった。

とにかく、まずはその美しさを生かしたビジュアル。そして自ら「才がある」って言っちゃっても違和感のない、切れ者っぽい雰囲気。それでいて何かを捨てたような、うちに秘めた闇も感じさせる冷たい眼差し。目線だけで表現する策士な感じ。小さな表情の動きだったり目の色だったりで、「過去に何かがあった」ことまでも想像させる。

きよら羽龍ちゃんの演じる、基経の実妹・藤原高子との二人きりの会話も秀逸で。

道真チームが若手の初々しい勢いのあるお芝居であるのに対し、瑠皇りあくんときよらちゃん、そして彼らの義理の父にあたる藤原良房を演じた彩路ゆりかちゃんが三人できっちりと落ち着いた深みのあるお芝居をして場面をシメた感じ。

第5場の「藤原高子の屋敷」のあと、基経早く出てこないかな…って待ち遠しいほどだった。

この場面で基経が、異母兄である藤原遠経と藤原国経を呼びつけるのだけど。本公演では基経はこの二人を小馬鹿にしながらも、三人とも「男」で、「女」である高子をどうにでもしてやろうといういやらしさが見えてちょっと背筋がぞわっとするような嫌な感じがあった(ある意味褒めてます)。

新公では基経がこの二人の男を心底軽蔑している様子で、どちらかというと心は高子と共にあった気がする。

で、ちょっとネタバレにはなるのだけれど。

若き日の基経は道真の亡くなった兄・平凡な吉祥丸(しかもこの役を本公演で瑠皇りあくんが演じてるってのがまたゾワっとするんだけど)のことを一周回ってうらやましく思っていた。頭が切れる基経からしたら、思ったまま裏も読まずに純粋に行動する吉祥丸が自由に見えたのかもしれない。

だから、そんな吉祥丸を死なせた異母兄二人のことを余計疎ましく思っていたのだろう。

そして、そんな吉祥丸が”才のある弟”だと言う道真に、会ったことはないけれどずっと興味を持っていたのだと思う。ある意味、自分と似ているのではないかと。 そして吉祥丸に愛されている道真が羨ましかったのではないかとさえ思う。


鬼退治やら藤原家の入内争いやらの裏で、この基経の「会ったことない道真の影を追い続ける物語」が進んでいる。そして、この作品の最後にやっと、基経は道真が吉祥丸の弟であると認識する。

史実として、基経と道真はこのあと大きく関わっていくことになるわけで。

この芝居の最後は、二人の運命がより交わっていく、その始まりなのである。だから、ラストシーンは銀橋を渡る道真のうしろ、本舞台には基経がいる。


というわけで、基経めっちゃ大事な役じゃん!!!!!!

はあああああ。

本公演、もっとちゃんとおだちんを見よう。そうしよう……。ごめんよおだちん……。


さて、その他の新公メンバー。

初主演の七城雅くん。そもそも原作漫画の道真がだいぶ若い設定(たぶん)というのもあって、とても原作のイメージに近い感じもあった。彼はとても通る綺麗な声をしていた。(ちぎさんに似て聞こえることもあったなー)

清和帝の天つ風朱李ちゃん。娘役さんかと思うほどに可愛かった(褒めています)。

白梅の花妃舞音ちゃんもとにかく可愛い。本役の彩みちるちゃんは男の子ばりのちゃきちゃきした可愛さなんだけど、それとは違うふにゃーっとした可愛さがあった。

きよら羽龍ちゃんはさっきもちょっと書いたように、お芝居うまい……。短いセリフで気持ちわかる……。切ない………。とにかくうまい……。

あとそうだ、瑠皇りあくんのお歌も、知らない間にめちゃうまくなっていた……。いま研7だから、次が最後の新公か……。ラストチャンス、めぐってくるといいなぁ……。

▼ポチッと応援お願いします♪( ´▽`)


にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ




昨日、月組の大劇場新人公演の日程の変更が発表になりました。
 
月組 宝塚大劇場公演 新人公演の公演日時変更について | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ
月組 宝塚大劇場公演『グレート・ギャツビー』は、すでにご案内のとおり、7月16日(土)の初日を7月22日(金)に変更させていただきますが、これにともない、8月2日(火)18時開演の新人公演につきましては、8月8日(月)18時開演に変更させていただきます。 当初の公演日時から変更となり、お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。

なお、8月2日(火)18時公演のチケットを、宝塚友の会先行販売ならびに一般前売(宝塚歌劇Webチケットサービス)にてご購入済のお客様は、宝塚友の会会員証・QRコードにて、8月8日(月)18時公演をそのままご観劇いただけます。また、公演日時の変更によりご観劇いただけないお客様には、チケット代金の払い戻しを行います。

そうだよね、一本物の新公だから場面の切り貼りもあるでしょうし、初日明けてから10日あまりでやるのは大変すぎるよね……。

とにかく新公が行われる予定でよかった。

▼ポチッと応援お願いします♪( ´▽`)


にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ

 

↑このページのトップヘ