花組大劇場新人公演『MESSIAH』を見てきました。

だいぶ遅くなったけど、覚えているうちに感想を書いておきます。




注目は飛龍つかさくんと、帆純まひろくん

本役さんとは違うアプローチで役を作ってきた上級生二人。この二人のお芝居で、全体がぐっと引き締まったなぁという印象でした。

感情をあまり出さない、伊豆守・飛龍つかさ

私はやっぱりつかさくんの芝居が好きらしい。

本役さんのマイティ(水美舞斗さん)は、”武士でありながらも感情をすごくすごく押し殺してるのが出ちゃってる”感じが肝だと思うのだけど、つかさくんはその逆で。

いつもはあれだけ表情をくるくる変えてお芝居するつかさくんが、”徹底して腹の中を表に見せない武将”を演じていたように思う。

何もかも俯瞰で見ているような伊豆守。

大物感があった。

そして、だからこそ彼がほんの少し表情を歪める時の意味が大きくなる。

スカステニュースにも映ったけど、家光が「島原藩10万石」と繰り返した時、少しだけ伊豆守の顔がゆがむ。

それから、一揆軍が投降しなかった時のひとこと「来なかったな」。

本役さんは、そばにいる鈴木に話しかけるよう「来なかったな」と言ってから、意を決するように「城を攻める」って言うのだけど。

つかさくんの伊豆守は「来なかったな」を、ボソッと、独り言のように言った。心のうちを外に出さない伊豆守が、口に出さずにはいられなかったかのように。

そして、「城を攻める」は他の兵士全員に聞こえる命令のように言ったのです。

こういう解釈もあるのかと、とてもおもしろかった。

伊豆守はそんなに出番の多い役ではないのだけれど、ピリリと締まるお芝居で、強い印象に残りました。

あー、つかさくん、今回で新人公演卒業なんだよね。早いねぇ。最後のご挨拶も立派でした。


狂気すら見える悪に徹した、松倉勝家・帆純まひろ

そしてもう一人、本役さんとは全く別の役作りをしてきたのが、松倉勝家役の帆純まひろくん。

本公演でもたいがいな悪役なんですが、まひろくんの松倉はさらにすごいことになってた。



そうなんですよ。

とにかくもう、 キリシタンとか年貢納めてないとか関係ない。

殿の虫の居所が悪い時に目があったら殺されるんじゃないかってくらいの、残忍オーラが出てた。

目つきがほとんど狂気。まひろくんは目が効くので、少しの黒目の動きでもよくわかって。客席にいても「やばいやばいやばい、この人に関わったら、いま目があったら絶対殺される」って恐ろしくなりました(笑)。

バイオハザードで向こうにゾンビ見つけた時とか、PUBGで近くに人の走る音がした時とか、隠れてやり過ごすことあるでしょ、「お願いだから私に気づかずにあっちいって!」みたいな。あの時みたいな恐ろしい気持ちになりました(どんな例え)。

流雨の顎を掴んで顔を向かせる時も、「お戯れを」と言われると忌々しそうに流雨を投げるように放り出したり、最後に伊豆守の元を去る時も全然反省した感はなくて、伊豆守を上から下までジロリと睨みつけて怒って退場したり。

この物語の中で、彼が果たした役割は大きいと思っていて。

彼がどれだけ恐ろしいかで、見ている人が島原・天草の民にどんどん感情移入していく。

今回の新人公演、つかさくんとまひろくんのお芝居で、とてもおもしろくなったと思ってます。


それにしてもこの作品って、実は全体をまとめるのが大変なんだなぁと気づきました。

全体のテンポ感が難しいというか、セリフの掛け合いが多いのでその間が難しいというか。

東京の新人公演までに、そのあたりがどう進化するのか楽しみです。
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