月組のれいこちゃん(月城かなとさん)主演の日本青年館公演『THE LAST PARTY ~S.Fitzgerald's last day~』フィッツジェラルド最後の一日を観てきました。
観てよかった。
本当に、れいこちゃんでこの作品が観られてよかった。
今日の感想はウザめです。でもこれだけは言っておきたい。この作品見る予定がない人も、もし時間とチケットが都合できるなら、見ておいてほしい。
れいこちゃんの転機になる作品であることに間違いない。
れいこちゃんの繊細なお芝居に感動
私は別にれいこちゃんのものすごいファンというわけではないけれど、ただただ涙。れいこちゃんの繊細なお芝居に、本当に感動したのでした。
物語は、タイトル通り「フィッツジェラルド最後の一日」から始まります。
まあ、この設定にも若干トリックがあるのだけど、まあそれは実際に見ていただくとして。
とにかくフィッツジェラルド最後の一日から始まるので、彼はその時44歳。
そのあと、時が巻き戻り、彼が作家としてスタートする20代前半へ。
44歳から20代へ戻り、そして20代からまた徐々に年を重ねていく。このれいこちゃんのお芝居の見事なこと。声色、動きのキレ、少しずつ年老いていく。ほんの少しずつ。
思い出して感想を書いていても、ぞくっとするようなスコット(・フィッツジェラルド)だった。
彼の感情がジェットコースターのように上がったり下がったりする、そのたびに見せる顔に胸が痛くなったし、思わずそばについていてあげたいような気持ちにさせられた(←ダメ男にひっかかりがちな女子の発想)。
正直、ほとんどれいこちゃんの一人芝居かっていうくらい出ずっぱり喋りっぱなしなのだけど、感情の糸がピンと張っていて、少しも緩むことなく、ものすごいパワーで演じてた。
彼とその妻ゼルダと一緒に、自分もあの時代を生きてる感覚になった。
なので、観劇後めちゃ疲れました(笑)。
破滅的なカップルについて
破滅的なカップルは、現代までの間にもたくさんいた。私が思い浮かぶのは、ボニー&クライド(宝塚では『凍てついた明日』という作品になりました)、シド&ナンシー、そしてある意味カート&コートニー。ちなみに私はシド&ナンシーが好きなのだけど。
▼あ、Blu-ray出てた。買おう。DVDしか持ってないのよ。
なんだろう、人は、欲望のまま破滅的に生きる若者に対してある種の憧れを抱くのでしょうか。そして、自由に見える彼らの中にある苦悩を感じることで、自分が穏やかに生きていることを肯定しているような気もする。
私はどちらかというと破滅的な人に惹かれてしまうのだけど(え?)、幸い周りに「それ以上行ってはいけないよ」と引き止めてくれる人がいるので、かろうじてまともに生きています(笑)。
でもね、自分の「まともな意識」の手綱を握っていられるか、それとも手放して楽になってしまうのかって、本当に紙一重。
れいこちゃんのスコットからは、そんなギリギリのところをさまよいつつも、「ゼルダを愛する」という手綱だけは決して離さなかった、ものすごい愛を感じた。
ゼルダのジレンマ
それと同時に、ゼルダの、ただスコットのミューズでいることのジレンマも痛いほど伝わってきた。自分の美しさだけではない「何か」を認めてくれたスコット。
でも、次第にスコットが自分の「何を」愛しているのかわからなくなってしまう。
他人から見ればそれが「自由」であり、彼女の好きに生きているように見えるのだけど。そこに彼女なりのジレンマ、苦痛が生まれる。
スコットとある種対等でありたい、スコットのように何かに熱中したいという欲望が、彼女を狂わせる。
うみちゃん(海乃美月さん)は、キラキラとゼルダを演じてた。これまで見たことないくらい、美しかった。
もしかしたら、「ゼルダが何を考えているのかわからない」と思う人もいるかもしれない。
でも、 彼らのように破滅的な愛でなくても。愛する人と、愛されている人の間に、 ねじれが生じることって、あると思う。
人は、その人の自分に見えている側面を愛す。愛されている方には、どの面が見えているのかわからない。
だからこそ、愛しているけど「自分の知らないあの人」が存在し、愛されているけど「あの人が愛しているのは自分ではない」と感じることがある。
この物語は、その究極のような気がする。
感想を書こうと、少しずつ物語を思い出していたのだけど、思い出すだけで涙が出てくる。正直、自分でもどうして泣けてくるのかわからないけど、そんな気持ちにさせてくれる作品。
愛するということについて、自分の中の常識を取っ払って、彼らと同化して観てほしいです。
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コメント
コメント一覧 (3)
コメントありがとうございます!
同じ感覚、とのお言葉嬉しいです。
もちろん同じじゃない場合でも読んでいただけるだけで嬉しいです(笑)。
月城さんは不思議な魅力のある役者さんですよね。
ダリアさんの「浄化感」という言葉、なるほどと思いました。
お恥ずかしい。
×でふが…(≧∇≦)
何って説明ができないのでふが、もろくて繊細で上質なお芝居でした。月城さんの繊細で誠実な感じが胸にグイグイ染み込んで、気がつけば涙が出ているそんな感じでした。少し前に、スカイステージで『銀二貫』を見たときも、同じような浄化感がありましたので、月城さんの持っている人柄のようなものが影響するのかもしれません。