東京に来て微妙に変更があったとはいえ、
見ればみるほど謎が深まる
花組公演『邪馬台国の謎』
………違った『邪馬台国の風』。

タケヒコのお師匠さん・李淵の謎は
大劇場公演中に妄想補完しました。

タケヒコの師匠・李淵は、いったい何者なのか:花組『邪馬台国の風』感想(4) : 初心者のための宝塚観劇講座 

お師匠さんと並ぶ大物(中の人的にも)、
巫女の頂点に君臨するのが
美穂圭子さん演じる「大巫女様」です。

では「ルサンク」片手に
大巫女様の言動を確認しましょう。
  • 巫(かんなぎ)とは、神に祈り、その声を聞く人のことである。
  • でも、神は祈りに応えてくれる時もあるけど、応えてくれない時もある。
  • 巫は、神の声を聞けなくなった時、死をもって償わなければならない。
  • 大巫女様、神意をうけて「マナが次の大巫女になる」と予言。
  • 大巫女様、邪馬台国の王に「あの巫女(マナ)を邪馬台国の女王にしろ」と告げる。
  • 大巫女様、マナにその位と役目を譲ると発言。それにあたり、マナに「ヒミコ」という名前をつける。
  • そのあと大巫女様は自害(←東京公演から追加の設定)。
なんか、この時点ですでに
ちょっとした矛盾が感じられるのですが。
 
大巫女様にまつわる『邪馬台国の謎』。
  • 王さまがたが「巫女を王にたてる」と話している時、「神の声を聞き、人々を救うた娘がおると聞いた」と言っているけど、大巫女様も「神の声を聞き、人々を救っている」のでは? 大巫女様を王にするのは、諸王の間で”ちょっと違くない?”って感じなのか。
  • 巫は「神の声を聞けなくなった時死ななくちゃいけない」わけだが、大巫女様は「マナを女王にしろ」と神託を受けた直後に自害。したがって、神の声が聞けなくなったら死んだわけではない。
  • ということは、大巫女様が「マナを女王に」と言ったのは神託ではなく、大巫女様が何らかの理由で個人的に「次の大巫女はマナがいいと思うー」と発言した、または大巫女様はまだ神の声が聞けるのにもかかわらず「もう、大巫女なんてやりたくない…」と自害したということになる。極端な二択。
  • ちなみに不弥王は「巫女の名がマナではな…」と苦言を呈するのだが、どうして女王の名前が「マナ」ではいけないのか不明。
というわけで、困った時のウィキペディア先生です。
なんでも載ってるね、ほんと。 
マナ - Wikipedia
日本におけるマナ観

折口信夫は、『若水の話』で「柳田(國男)先生は、マナなる外来魂を稜威(イツ)という古語で表したと言はれた」と言う説を引き、『花の話』等で、日本人の霊魂観が、「魂と魄のような区別」がなく、増えたり減ったりするマナ(外来魂)であり、神道はマナ信仰の最高峰であるとした。

また、『万葉集研究』において、マナの最も古い語を「日(ヒ)」とし、天皇の玉体(ミマと呼ばれる)に附ける儀礼が後ミ、ヨとなったとし、 『水の女』で中臣氏(藤原氏のフジハラを「淵原」とする)を、元「天皇にマナをつける儀礼を司る一族」だったとした。

白川静は、日本語のヒ(霊)、サチが外来魂であるとする折口説を承け『字訓』、『遊字論』において「マナを増やす儀礼」であるミタマノフユは、東アジアに分布しているという説を立てた。

また白川は、「万葉集の歌は、風景 郷土からマナを得るための呪歌である」と言う折口の説を襲う形で、『初期万葉論』を発表し、土橋寛も『日本語に探る古代信仰 フェティシズムから神道まで』で、「万葉集の研究家は、日本語の霊魂観における「魂の遊離性」は取り上げても「呪力(マナ)」に関心を払わない」として、タマシヒのマナ性を指摘した万葉集研究を発表している。

谷川健一は『民俗の思想』[1]で、フツ、スヂ、ケ、琉球語のセヂ、マブイをマナとする説と、個人あるいは所属する一族とマナを共有する動植物(トーテム)との関係を「ライフ・インデックス」と呼んだ折口の説を享け、太陽からのマナである「フツノミタマ」を受けて金属を孕む大地と言う信仰と、その儀礼を司る物部氏が、信仰と共に日本の辺境へ散る様(『青銅の神の足跡』『鍛冶屋の母』『白鳥伝説』)を研究し発表した。

小松和彦の、『憑霊信仰論』によれば、「憑きもの筋は、マナが異常に多く憑いた状態を説明する為の説明体系」である。

最後の「憑きもの筋は、マナが異常に多く憑いた状態」
というのはちょっとよくわからないけど、
むしろ「マナ」という名前のほうが
大巫女として適しているような気さえする。

というわけで、
私の中では大巫女様が心を病まれ、
「もう大巫女なんてやりたくない」
「ここから逃げ出したい」
「あ、このマナって巫女、後継者にいい感じ」と、
ご自分の立場の後始末をした上で、
自ら命を絶たれたのだと思うことにします。

次回は、
「ほんとにそれでいいの? アケヒちゃん!」
をお送りします。
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